DX Implementation Guidelines
DX推進方針
マツヤは1957年の創業以来、
ヨーロッパを中心とした世界の優れた食材を
日本のお客様へ届ける専門商社として、
食文化の発展に貢献してまいりました。
近年、食品流通業界を取り巻く環境は大きく変化しています。人手不足の深刻化、物流環境の変化、多様化する顧客ニーズ、そしてデジタル化の加速により、企業には従来以上に迅速で柔軟な対応が求められています。
こうした環境変化に対応するため、マツヤではDX(デジタルトランスフォーメーション)を経営戦略の重要な柱として位置付けています。
私たちが目指すDXは、単なるシステム導入や業務効率化ではありません。デジタル技術を活用して業務プロセスそのものを変革し、お客様への提供価値を高め、持続的な成長を実現するための経営改革です。
創業以来培ってきた食の専門知識と信頼を基盤に、デジタル技術と人の力を融合させながら、新たな価値創造に挑戦してまいります。
1. DX推進の背景
食品卸売業は、多品種の商品を短時間で正確に受発注し、お客様のもとへ確実に届けることが求められる業界です。
マツヤにおいても、全国のホテル、レストラン、ハウスウェディング施設など多くのお客様との取引を行う中で、日々膨大な受発注業務が発生しています。
特に業務用食材はリードタイムが短く、前日に受けた注文を翌日には納品するケースも少なくありません。
そのため受注処理の迅速化と正確性向上は、事業継続における重要課題でした。
従来はFAXやWebEDIなど複数のチャネルから受注データを取得し、基幹システムへ登録する作業を人手で行う場面も多く存在していました。
取引量の増加に伴い、
といった課題が顕在化しました。
これらの課題を解決し、将来にわたって持続可能な事業基盤を構築するため、マツヤはDXを推進しています。
2. DXビジョン
食の未来を支える
デジタルプラットフォーム企業へ
マツヤは、世界の優れた食材と日本のお客様を結ぶ専門商社として、デジタル技術を活用した新たな価値創造を目指します。
私たちのDXビジョンは、売上が増えても業務量が比例して増えない企業を実現することです。
人が担うべき業務とデジタルが担うべき業務を明確にし、定型業務は自動化しながら、人は提案活動や顧客支援など付加価値の高い業務へ注力できる環境を構築します。

3. DX戦略
3-1 受発注業務のデジタル化
DX推進の第一歩として、受発注業務のデジタル化を進めています。FAXによる受注や紙帳票中心の業務から脱却し、受発注システムを活用した電子化を推進しています。
これにより、
を実現しています。
さらに、お客様側の発注業務も効率化され、双方にとって利便性の高い取引環境を構築しています。
3-2 基幹システム連携による業務改革
2019年には基幹システムの刷新を実施し、受発注データを自動連携できる環境を整備しました。
これにより、
を推進しています。
部門ごとに分散していた情報を統合し、経営判断の迅速化と業務品質向上を実現しています。
3-3 RPAによる業務自動化
マツヤではRPAを活用した業務自動化を推進しています。
ホテル購買システムやWebEDIからの注文データ取得業務を自動化し、年間3,276時間の業務削減を実現しました。
また短期間で100を超える自動化シナリオを構築し、繁忙期にも安定した受注処理体制を実現しています。
今後も定型業務の自動化を進め、従業員がより付加価値の高い業務へ集中できる環境づくりを推進します。
3-4 AIによる受注業務の高度化
マツヤはAIを活用した受注業務の高度化にも取り組んでいます。
受注AIエージェントの実証実験では、受注データ取得から基幹システム連携までのプロセスにおいて93%以上の自動化を実現しました。
将来的には、
などをAIが担い、人とAIが協働する受注業務体制の構築を目指しています。
4. データ活用戦略
DXによって蓄積されるデータは重要な経営資産です。
販売実績、受注情報、顧客情報、商品情報などを統合的に活用し、
につなげていきます。
データドリブン経営を推進することで、変化する市場環境へ迅速に対応できる組織を目指します。
5. DX推進体制
DX推進は経営層主導のもと全社横断で実施します。
システム部門だけではなく、営業、物流、管理部門が連携し、現場課題の解決を起点としたDXを推進します。
また外部パートナーとの協業を通じて、最新技術や知見を積極的に取り入れながら継続的な変革を実現します。
6. 人材育成方針
DXの主役は人です。
マツヤでは、
を通じてDX人材の育成を推進しています。
従業員一人ひとりが変革の担い手となり、自ら課題を発見し改善できる組織文化を醸成します。
7. 情報セキュリティ
デジタル化が進む中で、情報セキュリティは重要な経営課題です。
マツヤでは、
を実施し、お客様や取引先からお預かりした情報を適切に保護します。
8. DX推進KPI
DX推進状況を継続的に評価するため、以下の指標を設定します。
定期的に進捗を確認し、継続的な改善を行います。
9. 今後の展望
マツヤは、受発注業務の電子化を皮切りに始動したDX(デジタルトランスフォーメーション)を、今後さらに進化・発展させてまいります。
直近の取り組みとしては、AIエージェント「ノウファ」を活用した次世代の受注体制の構築を進めています。具体的には、社外のEDIシステムから取り込まれる「共通項目のない受注データ」に対し、AI技術を用いて自社基幹システムの正しい品目へと自動で紐づけるソフトウェアの導入を進めています。これにより、データ入力や確認作業の大幅な効率化と精度向上を目指します。
私たちは、AI・データ活用・自動化技術を駆使する「先進的な食品流通企業」を目指しています。単なる業務効率化にとどまらず、お客様への提供価値向上、働き方改革、そして持続可能な事業運営を実現し、変化の激しい時代に柔軟に対応できる強固な企業基盤を構築してまいります。