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バッカラを手に入れました。

お知らせ2017年11月30日

先日、弊社の社員がスペインへ研修に行った際、

ちょっとしたお使いを頼みました。

市場で良いバカラオを調達してほしい、と。

一週間ぐらいだったら常温でも大丈夫だと何回も言ったのに、

気を遣いすぎてホテルの部屋の冷蔵庫に入れっぱなしにして

そのまま忘れて帰国してしまったらしく、

私にバレないように国内で調達したようです…

そこまで気を遣わなくても良かったのに。

結果的に大好きなバッカラ(イタリア語。バカラオはスペイン語)

冬に突入するシーズンにかけてゲット出来たので、

久しぶりに調理にチャレンジしてみました。

クリスマスの定番バッカラ・マンティカートは、

素人の私では作れないので…まずはパスタからかなぁ

※ マンティカートとは、干した鱈を水で戻し、ペースト状にした料理の事。

   バッカラだけでなくストッカフィッソと言う、塩漬けにしない干し鱈を使う事もあります。

イタリアへ行った時も市場でよくバッカラを見かけますが、

スペインの市場ではバカラオの専門店が実に多く、

見てしまったら買って帰らないといけないような雰囲気がします。

ビックリするぐらい市場にバカラオの専門店が多いので、

スペイン人の食生活についてとても勉強になります。

老後はスペインに住むのもいいなぁ…なんて思ったりします。



ここから少し豆知識を。


今更ですが、バッカラとは塩漬けして干した鱈の事。

日本で言うと塩鮭をイメージしてもらえれば。

シッカリと塩抜きしないと、食べられたモノじゃありません。

そもそもは保存食として・海に面していない地域でも食べられるように

塩漬けにして保存性を高めた食材ですが、鱈の漁獲量の減少と共に

昔からずっと価格が上昇し続けています。

本来、スペイン語のバカラオは鱈そのものの名前であり、

塩漬けにして干した鱈の加工品は、

正しくはバカラオ・エン・サラソンと呼ばれますが

この塩漬けした鱈の方が多く流通したので、

バカラオと言えばこの食材の事になりました。

対してイタリアではバッカラと言えば塩漬けした鱈の事をさします。

鱈はメルルッツォと呼ばれるので、

バッカラは最初から加工品の事です。

どう考えても同じ語源なのに、面白いですね。


バッカラそのものには関係ない話題ですが、

鱈の漁獲が北欧では非常に大きなビジネスだったので、

イギリスと漁場のあるアイスランドの間で

タラ戦争と呼ばれる紛争までもが起こりました。

ある意味で領海権(漁業権)争いの側面もあった紛争ですが、

地理的にソ連に対する要衝でもあったアイスランドが

有利に交渉を進められた事で、アイスランドに有利な条件で

イギリスが折れたと言う結果となりました。

それくらい、大西洋沿いの北欧各国には大事な海産物ですが、

鱈に関しては近年、漁獲量の回復が見られず

漁獲量からの割り当てが厳しく定められています。

天然資源が回復するよう、人間ももっと考えていかなければ。

サルバトーレも、タマには真面目な事を考えているんです。


太古の昔から南欧では、鱈を北欧から取り寄せているようです。

今も昔も変わらず、輸入してまで食べたい食材なのでしょう。

鱈の消費量世界一がイタリアなのも頷けますね。




今回、購入してきてもらったスペイン産のバカラオ。

塩抜き2日目の様子。

シッカリ肉厚でまだまだこれからと言う雰囲気。

晩餐会の予定は5日後くらいで考えていた方が良さそうです…



こちらは国産品で、以前弊社でも販売していたバッカラ。

塩抜き3日目 で、表面が白くなっているのがわかります。

上のスペイン産と比べてちょっと身が薄いので、

これだけ塩抜きが進めば、もう大丈夫です。




塩抜きをしたバッカラの皮を剥ぎ

(皮と身の間に包丁を入れ、皮を引っ張りながら

包丁を滑らしていくと

 なんということでしょう

職人のようにキレイに皮を剥ぎ取る事が出来ました)

塩蔵された魚を水で戻している為、

火を入れたのと同じくらい、タンパク質が変容しているので、

当然と言えば当然なのですが。




小骨が残っていないかの確認をして、一口サイズにカット。

ニンニクオイルでバッカラに火を入れ少し焼き色をつけ、

ざく切りカットしたキャベツと一緒に鍋に投入。

バッカラの塩分のみで味つけをするので、味の確認をして、

気持ち塩が薄く感じたのでアンチョビペーストを小さじ一杯入れます。



パスタは、パスタマンチーニのメッツェマニケ

(半袖と言う意味の名前を持つ、

リガトーニを短くしてちょっと太くしたようなパスタ)


これは…お、お、美味しい…!!

言葉を失うくらいの美味しさです。





いつもは家で料理をして撮影をしている

このサルバトーレ通信ですが、

今回は社員に作ってほしいとお願いされたので、

使い慣れていない会社の調理室で頑張ってみました。


その為、ここからは料理に夢中になりすぎて

写真を撮り忘れてしまいました…すみません。



最初に バッカラのフリット シンプルイズベスト。

形の良いものを選んで、ハーブソルトをまんべんなく振り掛け、

小麦粉を付けて、サルバトーレのオススメひまわりオイルで揚げます。

揚げたてはもちろん美味しいのですが、油の切れも良く

冷めてもベチャつかない、ほぼ無味無臭なので素材の味が良くわかる、等々

素材の味をストレートに表現するなら、ひまわりオイルがオススメです。



次にバッカラとジャガイモのトマト煮込み(アレンジしたリボルネーゼ)

ジャガイモに小さじ半分程度の塩をかけニンニクオイルでユックリと火入れ。

そこにバッカラを入れるのですが煮込み料理なので、

骨の間の身とか、捨ててしまうのがもったいないので、

食べられる部分を全部投入します。味わい尽くしたいですからね。

ある程度馴染んだら、ここからは一気に仕上げです。

前回イタリアへ行った時に美味しいダッテリー二種を使った

トマト缶をサンプルとして頂いていたので使ってみました。

塩で味をととのええたら、サルバトーレの大好物の出来上がり!


この時になってようやく、写真を撮っていない事を思い出し

社員の皆に聞いてみましたが…誰も写真を撮ることも無く、

ただ全員フォークを持って黙々と食べ続けていたようでした。



…皆、まだまだお腹も空いているようなので、

シンプルなバッカラとキャベツのスパゲティ

グアンチャーレとペコリーノ、玉ねぎと

トマト缶で作った、名付けて悪魔のアマトリチャーナ

庶民がこよなく愛するカチョエぺぺ


これらを一気に作り上げました。

業務用の設備があったから出来た同時調理です。



写真がなくて寂しいので、2年ほど前に作った

アマトリチャーナの画像を。画質が悪いのはご勘弁下さい。



あっ!忘れてた!商品説明会で紹介してもらった

スペインのフォルム社のシャルドネのワインビネガーを使ってサラダを。

冷蔵庫にベビーリーフがたまたまあったので、使い切りたいですし。

ビネガー1に対してエキストラバージンオリーブオイル2

ハーブソルトのサラダ用と言う便利なアイテムもあったので

それらを白く濁るぐらいにシッカリと混ぜて、

ボウルに適量入れます。その中に水切りをちゃんとした

ベビーリーフを入れ、軽く混ぜて更に盛り付けます。

このビネガー、エル・ブジでも使われているだけあって美味しい!


ドレッシングは、そのままかけるのと、

ちゃんと混ぜて皿に盛るのとでは

美味しさが全然違うと女の子に教えてあげました。

水切りもちゃんとしないと味が薄くなりますしね。


以上、写真はありませんが、バッカラを使った楽しいお祭りでした。





以下、編註

タラ戦争(Cod Wars)とは  イギリスとアイスランドが

北海周辺海域の漁業権を争った紛争。

幸いにも死者は出なかったそうですが、

砲撃や船での突撃など、かなり危険な行為も多くあった。

国際司法裁判所の仲介をもはねつけて争ったが、

政治的・地政学的な面からイギリスが妥協した結果、

アイスランドの漁業権が認められ、

当時ヨーロッパ最貧国だったアイスランドが、

ようやく豊富な漁場で漁を行えるようになり、

最貧国の立場を脱出するくらいまで外貨を獲得した。


タラ戦争と呼ばれているのは、当該海域で漁獲される主な魚が鱈だった事と、

鱈の英名codから冷戦(cold war)にかけられたとの事。